筆録
 
2014年
 

年々歳々花相似たり

中国唐代の詩人・劉廷芝(りゅうていし)の七言古詩で、下に、「年々歳々人同じからず」とつながります。春がめぐってくれば当たり前のように、桜の花はいつものように咲く。しかし、それを眺める人々の中には、来春もうこの世に居ないものもいるにちがいない。歳をとればとるほど、この思いはつのっていくのです。

鐘に恨みは数々ござる

昔の人は鐘の音で時を知りました。例えば、「後夜」は午前4時頃、「晨朝」は午前6時頃、「入相」は夕暮れ時、「初夜」は午後八時頃というように「時の鐘」が時刻を告げました。いつの時代でも、恋人たちにとって別れはつらいもの。この別れは「時の鐘」によってもたらされます。さぞかし、つれない響きに聞こえたことでしょう。


代悲白頭翁
古人無復洛城東
今人還対落花風
年年歳歳花相似
歳歳年年人不同
寄言全盛紅顔子
應憐半死白頭翁
此翁白頭真可憐
伊昔紅顔美少年

白頭を悲しむ翁に代わる(抄)
古人また洛城の東に無く
今人また対す落花の風
年年歳歳花相似たり
歳歳年年人同じからず
言を寄す全盛の紅顔子
應に憐れむべし半死の白頭翁
此翁白頭真に憐れむべし
伊れ昔紅顔の美少年

 
ページトップへ
 
 
<前頁        次頁>