不遷流柔術披露 9月30日(土) 於:済法寺本堂
去る9月30日(土)夕刻、済法寺本堂に於いて、不遷流盛武館尾道道場代表、及び同道場の方々による不遷流柔術の披露が行われました。来年度以降も、可能なかぎりこのような機会を設けたいと思っております。
「げんこつ和尚」と親しまれた、当山九世物外不遷大和尚様が不遷流柔術を創始したことは御承知の通りです。また、大本山永平寺中雀門の柱・江戸吉祥寺に掛錫(かしゃく)しておられた時に求めた碁盤、そして尾道海徳寺の表柱などに拳骨をうちつけてその跡をとどめたことは、尾道市民はご存じの方が多いことと存じます。師は、難波一甫流柔術を、高橋猪兵衛満政に師事ました。さらに、鎖鎌は山田流、槍術は宝蔵院流、馬術は大坪流を会得しました。不遷流柔術とはこれらをとりいれた総合古武道をさします。師がもっとも得意としたのは鎖鎌だったといわれています。
なお、不遷流柔術についての詳細は、http://ww7.enjoy.ne.jp/~ai33/ 「不遷流盛武館尾道道場ホームページ」を閲覧して下さい。

語 注
難波一甫流… 難波一甫流柔術は、竹内流柔術の流れをくんで成立し、江戸時代から明治時代にかけて広島で栄えた武術の大流儀。
山田流…鎖鎌術の一。後に不遷流に付属される。
宝蔵院流…柳生新陰流剣術とともに奈良を発祥地とする日本を代表する武道。約450年前、興福寺の僧宝蔵院覚禅房胤栄(?〜1607)が十文字鎌槍を創始した。鎌槍を活用した槍術は「突けば槍 薙げば薙刀 引けば鎌 とにもかくにも外れあらまし」とうたわれ攻防にすぐれ、槍術流派として全国的に発展した大流儀。
大坪流…馬術の一流派。祖は大坪式部大輔慶秀。将軍足利義満・義持につかえ、道禅と号した。小笠原流を小笠原信濃守政長にまなび、その後工夫して大坪流を創流した。大坪流は全国各藩に伝承され、多くの分派・支流を生み出した。