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■ ポタラ宮 ■
ポタラ宮の前で老人が座っていた。どこからきたのだろうか。チベット人は一生に一度羅薩(ラサ)へ来ることを夢見て、はるかな道のりを超えてくる。あこがれのポタラ宮。羅薩(ラサ)というよりは、チベットの象徴と言うべき建物がポタラ宮である。このポタラ宮は、羅薩(ラサ)の町の「赤い丘」という場所に17世紀に建てられた。ポタラとは「観音苔薩が住まう地」という意味である。『ダライ、ラマ』とは、観音菩薩の化身とされることから、宮殿の主はダライ・ラマということになる。現在、ダライ・ラマはインドに亡命中で不在である。亡命するまで、歴代のダライ・ラマがチベットの政治と宗教を司ってきた。
ポタラ宮は、中国の侵略や文化大革命の時、中国政府の保護下に置かれたので破壊活動の手を免れた。余談ではあるが、他の寺院はことごとく破壊され、僧侶は殺されるか、還俗させられたという。このようなこともあり、チベット人は、いまだに中国人に反感を抱いている。我々を乗せたバスは、宮廷の裏側の坂道を上り、建物の真裏に着いた。ここから、歩いて中を見学し表階段を下りる予定である。宮殿は
999の部屋があるとされるが、公開されているのはほんの一部である。それでも、歩いて回るにはかなりの時間を要する。宮殿は、下半分が白く、上部が茶色であり、そのコントラストが実に美しい。なぜ、宮殿の上部が茶色く塗られているのかガイドに聞いてみると、「茶色は聖なる色なのです。お坊さんの衣が茶色いのと同じですよ」との答えだった。まさにここは、チベット人にとって一生に一度来られるか来られないかの聖地なのだ。宮殿の中は、迷路のように入り組み薄暗かった。事前にこのことを聞き懐中電灯を用意してきたので、足を踏み外すことはなかった。各部屋には、様々な仏像が安置され、香が炊かれ、灯明があげられており、独特な宗教的雰囲気を醸し出していた。現地の人々は、一体一体の仏像に敬虔な祈りを捧げ、灯明のためのバターを捧げている。これらの中には、数週間懸けてこの聖なる場所に巡礼に来た人もいるはずである。どのような思いで祈りを捧げているのであろうか。(ポタラ宮より望む)